共済金のお支払等の適正化に向けた取組み状況について

2010年10月29日

JA共済では、平成22年4月から平成22年9月末までに実施した共済金のお支払等の適正化に向けた取組みについて、下記のとおりご報告いたします。

今後も共済金支払の適正化に向けて、組合員・利用者の皆さまの利便性の向上および契約者保護の一層の徹底をはかるとともに、適切な情報提供や契約の保全業務態勢の充実、共済約款の一層の平明化等の取組みを通じて、皆さまに信頼いただけるよう努めてまいります。

経営管理(ガバナンス)態勢の整備

1.共済金支払管理委員会の開催

JA共済連の担当役員が共済金支払の適正化にかかる取組状況を常に管理できるよう設置した「共済金支払管理委員会」を毎月開催しました(計6回)。当委員会で共済金支払後の検証結果や共済金審査会の審査結果等について審議し、必要な改善指示を行いました。

2.共済金審査会の開催

JA共済連では、共済金のお支払いに該当しないと判断するご請求事案および高度な判断を要するご請求事案に対して、医師、弁護士が専門的な見地から審査することで支払の適切性を確保するために設置した「共済金審査会」を毎月開催しました(計6回)。生命共済・傷害共済46件、自動車共済6件の事案内容について審査を行い、その結果共済金をお支払いすべきと判断された事案が、生命共済で3件ありました。

3.内部監査態勢の強化

  • JA共済連では、各都道府県本部の業務部および自動車損害調査部が行う業務点検の実施状況を内部監査役が検証し、必要な改善指摘を行いました。
  • JA共済連では、生命総合共済、建物更生共済、自動車共済ごとに共済金の支払漏れが生じないよう、事案を毎月サンプリングして、事案対応状況にかかる適切性について検証し、必要な改善指摘を行いました。

組合員・利用者の皆さまへの説明態勢の整備

ご契約者さまへの情報提供・注意喚起の充実

(1)JA共済では、組合員・利用者さまのお宅へ日頃の感謝をお伝えするとともに、共済金のご請求忘れがないか確認させていただくために、3Q訪問活動を行っております。
また、JA共済では皆さまにより一層ご満足いただけるサービスを提供できるよう「共済相談窓口」を設置し、ご相談および苦情を受け付けておりますが、寄せられた苦情やご要望をより一層のサービス向上につなげられるよう改善に努めております。
なお、裁判外紛争解決制度(ADR)にかかる改正農協法が平成22年10月1日から施行されたことに伴い、JA・連合会それぞれに苦情処理・紛争解決にかかる所要の措置を行いました。利用者からの苦情申出先、苦情処理・紛争解決にかかる措置の内容、苦情等にかかる内部規則の概要については、平成22年10月1日からJA・連合会のホームページに掲載またはその内容を記載した資材を店頭に設置いたしました。

(2)JA共済では、利用者保護を目的とする保険法の施行(平成22年4月)に合わせ、JA共済の対応事項を組合員・利用者の皆さまにご理解していただけるよう、取り組んでおります。

<主な取組みの内容>

  • 「保険法」施行にかかるご案内(チラシ)のJAを通じた組合員・利用者への配布
  • JA共済ホームページへの掲載

(3)組合員・利用者の皆さまが、契約内容の見直しや共済金の請求時など各種届出が必要な際に活用いただけるよう、ご契約のしおりの読みやすさ、わかりやすさの向上に取り組み、平成22年4月よりご契約時に配付しております。

<主な取組みの内容>

  • 仕組み(商品)の特徴や保障内容を図やイラストを配して説明
  • 目的別もくじ等の検索性能を充実

(4)自動車共済の共済金の請求にかかる資材(手続きのご案内、支払請求書、安心パンフレット等)について、ご請求者さまがよりわかりやすく記入しやすいものへ改善しました。(大判化、カラー化、保障可能な担保種目の明確化等)

わかりやすい仕組みの提供

1.仕組開発管理会議の開催

JA共済連では、仕組開発(注記:保険会社でいうところの商品開発にあたります。)部門、引受・支払部門、システム部門等の担当役員・部長をメンバーとした「仕組開発管理会議」を毎月開催し(計6回)、仕組開発段階から共済金支払適正化に向けた取組みを行いました。

2.共済約款の平明化の実施

組合員・利用者の皆さまにご契約内容を理解していただけるよう、共済約款の読みやすさ、わかりやすさの向上に取り組んでおります。

<主な取組みの内容>

  • 注書き・表形式の活用等の規定内容の読みやすさ・わかりやすさの向上
  • 文字サイズ・約款サイズの拡大等による、視覚的な読みやすさ・見やすさの向上

仕組みの見直し

  • 組合員・利用者の皆さまにとって「わかりやすい仕組み」とするため、仕組みの見直しの検討に取り組んでおります。
  • 平成22年4月には、JA共済が提供する医療保障仕組みについて、「わかりやすさ」を重視し、保障拡充を図ったうえで医療共済に一本化する仕組改訂を行いました。

共済金支払管理態勢の整備

1.共済金支払にかかる事務処理手順の強化

  • 共済金の全部または一部について、お支払いできないと判断した担当者とは異なる担当者が、その判断の妥当性についてチェックシート等を用いて確認する複数チェックを継続的に実施しております。
  • 保険法の施行をふまえ、共済金支払いにかかる事務処理手順やシステム等の整備を行い、平成22年4月より実施しております。
  • 生命共済・自動車共済において支払漏れが発生しやすい事象を分析し、共済金をより適正に支払うためのシステムの整備に継続して取り組んでおります。
  • 自動車共済において、事故受付した情報をもとに保障可能な担保種目をシステムが自動判定する機能を追加し、請求漏れ防止のチェック機能を強化しました。

2.共済金支払後の点検・検証の実施

  • JA共済連の各都道府県本部において、共済金の支払可否判断の適切性についての点検を毎月実施(月次業務点検)しており、共済金支払が必要と確認された場合には速やかに支払処理を行う態勢を整備しております。
  • さらに、JA共済連の全国本部による実地調査・検証を実施しており、適正な支払処理を行う態勢を整備しております。

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