責任投資の取り組み

Ⅰ 責任投資方針

1. 責任投資の目的

農業と地域社会の持続的発展に貢献するとともに、地域社会を構成する一員としての社会的役割を果たすことを掲げる本会の「サステナビリティ方針」に基づき、資金運用における責任投資を進めてまいります。
ESG投資およびスチュワードシップ活動からなる責任投資においては、運用収益を確保しつつ、社会課題解決への貢献を図ることをめざします。

2. ESG投資手法

ESG投資とは、財務情報に加え、ESG要素を含む非財務情報を考慮した投資行動のことです。
JA共済は、各運用資産に多様なESG投資手法を導入すること等によりESG投資を進めてまいります。

  • 環境(Environment)・社会(Social)・企業統治 (Governance)の3要素

3. スチュワードシップ活動

投資先企業との対話や議決権行使を通じ、投資先企業の持続的な成長を促すことを目的としてスチュワードシップ活動に取り組みます。

4. 責任投資の働きかけ

  1. ①責任投資の課題に対する適切な開示の促進
    投資先との対話において、責任投資の課題に対する情報開示を求めます。
  2. ②責任投資の促進
    運用受託機関における責任投資の取組状況のモニタリングおよび働きかけを通し、責任投資を促進します。
  3. ③責任投資の協働
    他金融機関等との責任投資における協働に取り組みます。

5. 情報開示に対するアプローチ

責任投資に関する活動状況や進捗状況の報告について、本会ホームページ等を利用し、情報発信を行います。

Ⅱ 責任投資にかかる具体的取り組み

1. ESG投資の取り組み

JA共済連は、以下の4つの手法によりESG投資に取り組んでいます。

  1. ①投資分析と投資プロセスへのESG課題の組込み(ESGインテグレーション)
    投資判断において、企業分析や銘柄分析にESG要素(非財務情報)の評価を組み込みます。
  2. ②ESG課題に対する投資先との対話(エンゲージメント)
    投資先におけるESG課題等について、持続的な成長と企業価値向上を促すことを目的に、投資先との対話を進めます。
  3. ③SDGsの課題解決を目的とした投資(テーマ型投資)
    SDGs達成への貢献が出来る資産への投資を進めます。
    また、運用収益を確保しつつ社会的リターンを創出するインパクト投資に取り組みます。
  4. ④ネガティブ・スクリーニング
    運用資産において、特定の業種・企業等を投資対象から除外します。具体的には、非人道的兵器根絶を後押しするために、クラスター弾製造企業への投資を行いません。
    また、石炭火力発電にかかるプロジェクトファイナンスへの投資除外を実施します。
テーマ スクリーニング対象分野 対象資産
非人道性 クラスター弾製造企業 株式、社債、融資
気候変動 石炭火力発電にかかる事業(脱炭素化に向けた移行に資すると判断した案件は除く) プロジェクトファイナンス

2. スチュワードシップ活動の取り組み

スチュワードシップ活動については、「責任ある機関投資家」の諸原則(日本版スチュワードシップ・コード)に基づき、取り組みます。
「責任ある機関投資家」の諸原則(日本版スチュワードシップ・コード)の受入れについては、Ⅳを参照

3. 責任投資のガバナンス体制

責任投資にかかる協議・報告を、資金運用部門とリスク管理部門の担当理事が出席する会議体において実施します。

Ⅳ スチュワードシップ活動

JA共済連は、2015年5月に『責任ある機関投資家』の諸原則≪日本版スチュワードシップ・コード≫の受入れを表明いたしました。
また、2025年6月に≪第三次改訂版日本版スチュワードシップ・コード≫が公表されたことを受け、受入れ内容を更新しました。


スチュワードシップ活動報告

Ⅴ イニシアティブへの参加

責任投資原則(PRI)への署名

PRIは、持続可能な社会の実現を目的として、機関投資家等がESG 課題を投資の意思決定に組み込むことを提唱する国際イニシアティブです。
JA共済連は、2022年11月にPRIに署名しました。
Signatory of PRI - Principles for Responsible Investment

インパクトコンソーシアムへの参画

インパクトコンソーシアムは、環境・社会的効果(「インパクト」)の創出を実現していくための協働・対話の場として設立された官民連携のイニシアティブです。
JA共済連は、2024年3月にインパクトコンソーシアムに参画しました。
インパクトコンソーシアム

Climate Action 100+への署名

Climate Action 100+は、温室効果ガス排出量の多い企業に対し、協働エンゲージメント(企業との対話)を通じて、気候変動への対応を求める世界最大の投資家イニシアティブです。
JA共済連は、2024年9月にClimate Action 100+に署名しました。
Climate Action 100+

Ⅵ これまでの主な取組事例(テーマ型投資)

横浜市が発行するソーシャルボンドへの投資

本債券により調達された資金は、横浜市が定める「横浜市サステナビリティボンド・フレームワーク」のうち、保育所等整備、小中学校整備、児童福祉施設整備、特別養護老人ホーム整備などの事業に充当されます。

貢献が想定されるSDGs項目

  • 3 すべての人に健康と福祉を
  • 4 質の高い教育をみんなに
  • 5 ジェンダー平等を実現しよう
  • 8 働きがいも 経済成長も
  • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 11 住み続けられるまちづくりを
  • 13 気候変動に具体的な対策を
  • 16 平和と公正をすべての人に
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう

三井不動産株式会社が発行するグリーンボンドへの投資

本債券により調達された資金は、三井不動産が定める「グリーンファイナンスフレームワーク」に基づき、同社のライフサイエンス・イノベーション推進事業に充当されます。

貢献が想定されるSDGs項目

  • 3 すべての人に健康と福祉を
  • 8 働きがいも 経済成長も
  • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう

名古屋市が発行するグリーン/ネイチャーボンドへの投資

本債券により調達された資金は、名古屋市が定める「名古屋市サステナビリティファイナンス・フレームワーク」のうち、地球温暖化など環境課題解決に資する事業や、東山動植物園再生整備(希少動物の「保護」と「増殖」)など生物多様性の保全に資する事業に充当されます。

貢献が想定されるSDGs項目

  • 3 すべての人に健康と福祉を
  • 7 エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
  • 11 住み続けられるまちづくりを
  • 13 気候変動に具体的な対策を
  • 14 海の豊かさを守ろう
  • 15 陸の豊かさも守ろう

すかいらーくホールディングスが発行するサステナビリティボンドへの投資

本債券により調達された資金は、省エネルギー(同社の店舗やオフィスにおいて行う省エネルギーのための設備導入等)、クリーン輸送(店舗での電気自動車・電動スクーターの導入)および食品の安全保障と持続可能な食品システム(フードロス対策に向けた設備導入)にかかる事業に充当されます。

貢献が想定されるSDGs項目

  • 7 エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
  • 11 住み続けられるまちづくりを
  • 12 つくる責任 つかう責任

関西電力が発行するトランジション・ボンドへの投資

本債券により調達された資金は、送配電設備の更新や安定供給に向けた送配電網のレジリエンス強化(主に無電柱化対応)に充当されます。

貢献が想定されるSDGs項目

  • 7 エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
  • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 11 住み続けられるまちづくりを
  • 12 つくる責任 つかう責任
  • 13 気候変動に具体的な対策を

国際復興開発銀行が発行するサステナブル・ディベロップメント・ボンドへの投資

本債券により調達された資金は、農業インフラ・灌漑の整備などを通じた気候変動に対する環境的レジリエンス強化を目的として、途上国における自然災害リスク軽減への取組みに関するプロジェクト等に充てられます。

貢献が想定されるSDGs項目

  • 8 働きがいも 経済成長も
  • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 13 気候変動に具体的な対策を

Orchard 2025 Fundへの投資

本件ファンドは、主に気候変動、金融サービスへのアクセス、その他の社会課題や環境問題の解決を支援する債券への投資を通じて、人々、社会、地球にプラスとなる影響を与える(環境・社会的インパクトを創出する)ことを目的としております。

貢献が想定されるSDGs項目

  • 3 すべての人に健康と福祉を
  • 6 安全な水とトイレを世界中に
  • 7 エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
  • 8 働きがいも 経済成長も
  • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 12 つくる責任 つかう責任
  • 13 気候変動に具体的な対策を

国際農業開発基金が発行する「ニュートリション・ボンド」(栄養改善支援債)への投資

本債券で調達された資金は、国際農業開発基金により開発途上国の貧困や飢餓に直面する農村地域の人々の食料安全保障の確保、女性や子どもたちの栄養不足の改善、慢性的な栄養失調に対処するプログラムなどに活用されます。

貢献が想定されるSDGs項目

  • 1 貧困をなくそう
  • 2 飢餓をゼロに
  • 10 人や国の不平等をなくそう
  • 13 気候変動に具体的な対策を

日本国が発行する「クライメート・トランジション利付国債」への投資

本債券で調達された資金は、「GX推進戦略(脱炭素成長型経済構造移行推進戦略)」を軸に、パリ協定に整合する国際公約である2050年カーボンニュートラルおよび2030年度の温室効果ガス46%削減(2013年度対比)の実現に向けた事業に充当されます。

貢献が想定されるSDGs項目

  • 7 エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
  • 8 働きがいも 経済成長も
  • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 11 住み続けられるまちづくりを
  • 12 つくる責任 つかう責任
  • 13 気候変動に具体的な対策を
  • 14 海の豊かさを守ろう
  • 15 陸の豊かさも守ろう

アジア開発銀行が発行する「ヘルス・ボンド」への投資

本債券で調達された資金は、アジア開発銀行により保健衛生・医療システムの拡充、具体的にはアジア・太平洋地域の人々が、公平で質の高い医療サービスを利用できるシステム構築の支援や予防医療、健康促進策などに活用されます。

貢献が想定されるSDGs項目

  • 1 貧困をなくそう
  • 3 すべての人に健康と福祉を
  • 5 ジェンダー平等を実現しよう
  • 10 人や国の不平等をなくそう

アジア開発銀行が発行する「ウォーター・ボンド」への投資

本債券で調達された資金は、アジア開発銀行により持続可能な給水サービスの開発、具体的には水資源を効率的に活用するインフラ整備などに活用されます。

貢献が想定されるSDGs項目

  • 5 ジェンダー平等を実現しよう
  • 6 安全な水とトイレを世界中に
  • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 11 住み続けられるまちづくりを
  • 12 つくる責任 つかう責任
  • 13 気候変動に具体的な対策を

NTTファイナンスが発行する「グリーンボンド」への投資

本債券で調達された資金は、NTTファイナンスによりエネルギー効率化に資する通信インフラ技術、設備への投資、再生可能エネルギーによる発電事業への投資などに活用されます。

貢献が想定されるSDGs項目

  • 7 エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
  • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 11 住み続けられるまちづくりを

群馬県が発行する「グリーンボンド」への投資

本債券で調達された資金は、群馬県により再生可能エネルギーの導入や森林環境整備・保全、河川改修等の水害対策など、脱炭素社会の実現や気候変動に適応するための事業に活用されます。

貢献が想定されるSDGs項目

  • 7 エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
  • 11 住み続けられるまちづくりを
  • 13 気候変動に具体的な対策を
  • 15 陸の豊かさも守ろう

以上