2011年5月25日
3業態(信託業界・生命保険業界・JA共済連)にかかる企業年金の受託概況(平成23年3月末現在、速報値)を別添のとおり取りまとめました。
- 企業年金の受託件数は、厚生年金基金が595件、確定給付企業年金が10,050件、適格退職年金が8,051件となっています。適格退職年金が制度廃止期限である平成24年3月末を目前に控えて移行を進めており、その移行先の選択肢の一つである確定給付企業年金が件数を伸ばしています(後掲の<ご参考>を参照)。
- 企業年金の資産残高は、対前年比1兆5,180億円(2.0%)減少の72兆9,258億円となっています。資産残高の内訳は、厚生年金基金が27兆8,538億円(対前年比4.0%減)、確定給付企業年金が41兆9,721億円(対前年比7.5%増)、適格退職年金が3兆998億円(対前年比51.6%減)となっています。なお、業界別の内訳は、信託業界58兆8,838億円(80.7%)、生命保険業界13兆6,857億円(18.8%)、JA共済連3,562億円(0.5%)となっています。
- 企業年金の加入者数は、それぞれ厚生年金基金が451万人、確定給付企業年金が727万人、適格退職年金が126万人となっています。加入者総数では、制度への重複加入はあるものの、1,305万人と、厚生年金保険の被保険者数3,424万人(平成22年3月末)から推計すれば、民間サラリーマンの約4割が企業年金に加入していることになります。
昭和37年の創設以来、長らく我が国の代表的な企業年金の一つであった適格退職年金は、平成24年3月末に制度廃止期限を迎えます。廃止が決定した平成14年3月末時点で7万件超あった件数は、その後、他の企業年金制度等への移行が進み、平成23年3月末時点で約8,000件となっています。引き続き、税制上の優遇措置を受けるためには、他の制度に移行する必要があるため、また、多様化する企業・従業員の双方のニーズに応えるため、受託機関としては、様々な企業年金プランを提供し、移行推進に取り組んでいます。
企業年金は、少子高齢化が進む我が国において、不足しがちな老後の生活資金を補完するための手段として、企業・従業員が一体となり運営していく制度です。信託協会、生命保険協会、全国共済農業協同組合連合会では、税制改正要望や規制改革要望を通じて、企業年金制度の利便性の向上に努めています。
<ご参考>企業年金の受託件数の推移(3月末時点)
|
厚生年金基金 |
確定給付企業年金 |
適格退職年金 |
(対前年度比) |
平成19年 |
658件 |
1,942件 |
38,885件 |
- |
平成20年 |
626件 |
3,101件 |
32,826件 |
(△6,059件) |
平成21年 |
617件 |
5,008件 |
25,441件 |
(△7,385件) |
平成22年 |
608件 |
7,405件 |
17,184件 |
(△8,257件) |
平成23年 |
595件 |
10,050件 |
8,051件 |
(△9,133件) |